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この記事はボカロ班員の曲語り Advent Calendar 2025の7日目です。

はじめに

こんにちは。しれっとブログのデザインを大幅変更したroboです。この時期にしか更新しないので多分来年も変わってる気がします。ちなみにいまだに予約投稿機能に対応していないので、きっとこの記事は12/7の朝に手動で投稿されていることでしょう。

本題

さて、曲語りということで本日語るのは稲葉曇『期待通り』Vo. AI音街ウナです。

この曲はVOCALOID6 AI 音街ウナ 公式デモ曲です。デモ曲は5曲あるんですが、この曲を一番聞いていると思います。実際そういう人が多いのか、圧倒的に再生回数も多いです。

ところで、音街ウナV6ってV4やSVに比べて極端に少ないんですよね。 要因の一つにVOCALOIDの難しさがあると思っています。今でこそピッチ鉛筆が使えるようになりましたが、かなり長い間ピッチをコントロールするにはオートメーションを頑張って書くか短いノートを前後においてピッチを誘導する必要がありました。 ピッチ調整が難しいのはV4も一緒なんですが、V6にはグロウルがありませんし、Gender Factorもありませんでした。(のちにCharacterとして実装)しかもAI化したといってもV4と比べて劇的にすごい声になったという感じでもなかったのでV4ばかり使われていました。(しかも発売から約1年後に重音テトでかなりの人気を得ていたSV版が発売されたので…)

と、このまま続けていくとVOCALOID6の悪口大会になりそうですが日英中の発音をシームレスにつなげますし、ピッチ鉛筆とCharacterパラメーターが実装されてからはかなりいい感じなので個人的にはもっとVOCALOID6盛り上がってほしいなと思ってます。大体はSVでいいんですが、あっちは言語を切り替えるときに音が途切れちゃうのできれいにつながらないんですよね。あと若干声が変わるので同じ曲の中でスムーズにつなぐのは結構難しいです。この曲の歌詞にもありますが、VOCALOID6ならではの声で新しい線を引いていってほしいですね。

若干脱線しましたが曲語りに戻ります。語りたい部分はいろいろあるんですがやはり一番目立つ部分は2番のサビ前だと思います。1番サビもなかなか攻めた盛り上げ方だと思うんですが、2番では低いキーで偽サビに入り、それを中断して一気にサビへ駆け上がるのでなかなか中毒性が高いです。

歌詞もV4の成功からくる期待を背負う音街ウナV6のデモ曲にぴったりです。個人的に歌における歌詞はメインではないので、全部ラララでもいいと思っているんですがそれはそれとして良い歌詞は好きです。

この曲は全体的にSpicyとSugerを重ねているんですが、大部分でSpicyの要素が強い中、CメロでSugerが前に出てくる部分は特に耳が幸せになります。Spicyはこれぞ音街ウナという感じの声で好きなんですが、やっぱりSugerの甘い感じも捨てがたいですね。

ちなみに、音街ウナV6はV4より大人っぽい声だと言われているんですが、フォルマントがV6の方がちょっと低いです。世の中にあるV4のウナ曲は多分Gender Factorを少し下げてあるので、それと合わさって大人っぽく聞こえるんだと思います。初期のVOCALOID6にはこのパラメーターが無かったんですが、のちに追加されたCharacterパラメーターを少し上げると似たような声が出せます。あとはピッチもかなり違うので、ベタ打ちだとより違いが感じられますね。ピッチカーブの激しさはSV>V6>V4です。

というわけでぜひ皆さんもウナ曲を聴きましょう。無色透名祭にも130曲ほど投稿されているので聞き放題です。1記事1曲レギュレーションなので貼りませんが、いろいろと面白い曲やすごい曲がありました。書く気になったらまだ空いてる枠で書きます。

おまけ

※以下はほとんど曲語りに関係ありません(少しは関係ある)

稲葉曇さんの楽曲によく出てくるフルートの音ですが、SONICWIRE BLOGの企画でKORGのM1を使っていると書かれていました。この記事の存在は割と最近まで知らなかったんですが、個人的にM1の音が好きでM1のプラグイン版を持っているので作ってみましたが、本当にあの音が出ました(作曲部のDiscordにプリセット投げてます)。

Piano 16’やOrgan 2が有名なシンセなんですが、pan fluteを使っているのは割と珍しいですね。特にPiano 16’はM1ピアノと呼ばれていて、ピアノと呼ぶにはあまりにも特徴的すぎる音が鳴ります。Organ 2もオルガンというよりはシンセベースとして使われることが多いみたいですね。実際自分でもベースに使ってみましたがいい感じでした。

SONICWIRE BLOGの記事でもわかるように、Reverbを切って使っているようなんですが、実はこれ開発者が推奨している方法だったりします。

M1の使い方の基本はリバーブを外すことです(笑)。 (DTM STATION 「KORG iM1 for iPad開発者に聞く、iM1の120%活用術」より引用)

ちなみにKORG M1はもともとハードウェアシンセで、音源の追加カードが複数販売されていました。それをソフトウェア化する際にすべて収録した関係で、プリセット数がとんでもない数になっています。大抵の有名な音はCARD1に入っているのでCARD1以外はまだほとんど試せていません。だれかいい音知ってたら教えて下さい。

このKORG M1ですが、KORG製のMIDIキーボード等を買うと機能制限版が付いてくるので、作曲を始めたい人はぜひ買ってみてください。(+5000円でフルバージョンにアップグレードできます)そして作曲部で曲を作りましょう。